所在地・・・・比企郡吉見町御所378
指定・・・・・・県指定文化財(昭和28年)
建立年・・・・1656年頃(江戸時代 明暦2年頃)
建築様式・・和様式
構造形式・・3間3重塔婆・銅板葺
総高・・・・・・24メートル


 安楽寺(吉見観音)は坂東十一番札所、真言宗智山派の寺です。天平年間(729〜749年)、行基によって草創されたと伝えられています。その後、大同元年(806年)坂上田村麿によって、吉見領の総鎮守とされました。
 平治の乱(1159年)後、源頼朝の弟、源範頼がこの地を領するようになり、16丈(約48メートル)の三重塔と25間(約45メートル)の四面の大講堂を建立しました。その後、天文年間(1532〜55年)、北条氏康と上杉憲政との松山城合戦に際し、松山城の落城とともに、大伽藍をことごとく焼失してしまいました。
 現在の三重塔は、1656年(明暦2年)中興開山杲鏡(こうきょう)法印や、呆慶(こうけい)法印によって再建されたものです。さらに、昭和35年(1960年)には解体修理が行われました。
 吉見観音として親しまれている安楽寺は、今でも多くの参詣客で賑わっています。長い参道を抜け、石段を登ったところに元禄15年(1702年)に再建された仁王門があります。さらに石段を上りつめると、寛文元年(1661年)に再建された本堂があります。この本堂は江戸時代前期の建築様式を伝える貴重な遺構です。本堂の右側に寄り添うように建っているのが、県下最古の三重塔です。初層の内部には誕生釈迦像を安置し、伝統的な和様式で造られ、装飾を排し落ち着きが感じられる塔です。
 周囲の緑に溶け込んでいる仁王門、本堂、三重塔、そして鐘楼。江戸時代初期に建てられ、当時の様式をよく伝えている貴重な建物です。

 
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